小手先と体幹
子供の頃、ゲームをしていて体ごと動いてしまうことがあった。
激しい奴になると「コントローラーを引きちぎるのではないか?」と思うほどに。
これは小手先で反応しているのではなく、動物的に全身を連動させて動いてしまった結果がそうなったのではないか?
ふと、そう思った。
時間は流れ、大人になった今。
こうしてキーボードを打つ手。
いや、手というかほぼ指先の関節しか動かしていないような状況。
これは極めて不健全な体の動きなのでは?と感じる。
例えば書家の動きを見ていると、決して小手先で書いてはいないことがわかる。
(「小手先」という言葉。実によく状態を表している。)
武術家然り、何れの専門家かの違いはあれど、熟達した者は小手先でその動きをしていないように見える。
「小手先で」という言葉は、褒めるときに使われる言葉ではない。
そういえば剣術の達人と云われている人物は、よく書に精通している印象がある。
勝手な想像ではあるが、文字を書く微妙な体幹の使い方。
これが剣捌きに通ずるところがあるのではなかろうか?
どんどん使われなくなる体幹
パソコンにスマホ。
何れも指先の関節しか使わずに利用できる物。
子供の頃からこういう物が当たり前の動きになってしまうと、体幹を使った動きそのものが最初から無いことになってしまわないだろうか。
使わなくなって衰えたものと、最初から存在しないものとでは、絶対的な違いが生じそうな気がする。
体幹というと、どうもスポーツ的なトレーニングに考えが結びついてしまいがちだが、剣術家が目指しただろうと思われる体幹の使い方。そういった体幹の使い方を見直してみるべきなのではないか。
まぁ素人の勝手な考えでしかないのだが。