パソコンの挙動がどうもおかしい。
もう使い始めて何年目だったか。
正確に覚えてはいないが、5年くらいは使っていたはずだ。
物というのは、壊れる前になんとなくの予兆が出てくる。
そういうところは不思議とわかる。
万年筆のような道具であれば、長年使うと味が出てくる。
愛着が湧いてくる。
高級品になれば一生モノと言われるほど、道具としての寿命が長い。
人を引きつける魅力があるのもわかる。
一方でパソコン。
パソコン以外でもそうなのだが、電子部品を使った道具というものは短命で、電子部品の数が増えるだけライフサイクルが短いように思う。
どれだけ高級なモデルを買ったとしても、物凄い勢いで進化をする半導体製品は、すぐに型遅れになってしまう。
それだけの性能が必要な環境で使われるのだから、求められるのは最先端の性能なのだろう。
私が使う程度であれば、そんなに性能は必要ない。
文字が打てる。web検索。動画を見る。ネットショッピング。
せいぜいこんなものだ。
それでも熱消耗なのか何なのか?
細かい理由はわからないが、パソコンも消耗するのだろう。
たまにこうやって代替わりしている。
データは本体には殆ど入っていない。
クラウド上と外付けのドライブに入れてあるので、本体をまるっと入れ替えるだけの作業になる。
手入れをするわけでもなく(掃除くらいはするが)
料理人の包丁のように毎日研いで使うわけでもない。
どこか今の時代の嫌な部分でも見せられでもしている気がしてきて、寂しいような、そして何だか申し訳ないような気分にさせられる。