若いときと、今と
目が覚めると、なんだか空気が違う。
しんとした静けさがあって、窓から漏れてくる光が白い。
雪が降っていた。
ほとんど雪が降らない地域で暮らしているものだから、ちょっと独特というか、特別な感じがする。
子供の時分ならば喜んでいたところだが、歳を取るとそういう気持ちも失せてしまう。
現実的な問題を考えてしまうので、雪をウェルカムという気持ちで受け入れられない。
それでもツバキや南天の葉に積もった雪を窓越しに見ていると、「日本の冬だなあ」という気がしてくる。
イルミネーションなんかとは違って、人が飾り付けたものではない姿は、なんとも言えない。
若いときには気にも止めなかったことだ。
修学旅行に京都へ行ったが、その時は何てこともない。遊び仲間と学校の面々がいるという、単なる集団旅行気分だった。
今思い返すと、「もっとしっかりと見ておくんだった」なんて思ったりもするが、そんなことがわかるような時期でもなく。
まあ、そういう後悔みたいなものを繰り返すことで、その人なりの成長というものがあるのだろう。
そうか、若い時の "やらかし" があるからこそ、わかることもあるんだな。と、一人で勝手に納得している。