窓の外が気になる
気温を示すグラフが右肩下がりになっている。
細かい天気が知れるのは便利だが、こういうネガティブな情報も視覚化されると、どうも気持ちも萎えてしまう。
いつも朝から集まって世間話をしているご近所さんの声も聞こえず、外からはゴーゴーと風が渦巻く音が聞こえる。
近年の住宅はほとんどが壁で囲まれているような作りで、窓は本当に必要最低限といった感じだが、我が家は古い建物なので、間口の広い掃出し窓がずらっと並んでいる。
そこに風が吹き付けるものだから、こういう風の強い日にはどうしても大きい音が聞こえてくる。
「すごい風の音だな」
そう感じて外に出て確認してみると、実際には大したことはない。
見えない風景が頭の中で増幅されて、現実以上のイメージが湧いてきてしまう。
気持ちを何かで紛らわせていたいところだが、どうしても外の様子のほうが気になる。
自然のことをアレコレ考えても仕方がないことだが、この寒気がどこかへ去ってくれないものかと願って落ち着かない。