春の縁側
ネコが朝飯を終えるとコタツのある茶の間ではなく、縁側へスタスタと向かうようになった。
そこでお気に入りの台の上へヒョイと飛び乗ると、毛づくろいを始める。
気持ちが良いのか、それとも日差しが眩しいのかわからないが、目を細くして念入りに毛づくろいをしている。
朝の空気はまだまだ冷たいが、日中は汗ばむような陽気。
ネコは快適な場所を見つける天才だ。
縁側も家の中では早くから温まる場所なのだろう。
サッシで外界と仕切られた場所は暖かく、また外敵もやってこない。
あまりにだらし無い恰好で寝ているものだから、つい声をかけたくなる。
その声に耳だけをピクピクと動かして反応したり、尻尾の先を動かしたりしている。
餌をもらう前にはニャーニャーと催促して騒がしいが、食べ終えたらこの有り様だ。
24節気の啓蟄を迎え、寒かった冬も少しづつ少しづつ遠のいている。