どうでも良いことを考えてしまう。

なんてことはない、日常で思ったことのつぶやき。

山のお堂

日中にふと思い立ち、子供の頃に行った山の中のお堂に行ってみた。

子供の頃の記憶だから曖昧で、正確な場所はわからない。

それと思しき場所には行けたはずだったが、どうやらすっかり様変わりしている。

古い堤が在った場所は埋め立てられていて、なんとなくその痕跡が見て取れる。

山林だった場所には道ができていて、山の上の方まで続いているようだった。おそらくは鉄塔を管理するための道だろう。

その道がある付近だったと思う。

石を積み上げた階段と、狭い道が社まで続いていて、その奥に小さなお堂があったはず。

子供の頃の記憶だから、距離の感覚は今とはまるで違うだろう。

それでも周囲の雰囲気はなんとなく記憶にある。


結局は見つけられずに帰ってきてしまったが、あの頃と変わっていない道と、新しく拡張された場所が入り混じっていたあの場所を歩いてみると、なんとなく懐かしい気がしてくる。

あのお堂に奉られていた毘沙門さんに挨拶ができなかったことは残念だったが、今でもあの頃の土地が部分的にでも残っていたことが確認できたことで、なんとなく自分の中で納得がいった。

近隣の人に聞いてみるというのも考えたが、ちょっとそこまでは気乗りがしなかった。

曖昧のままで記憶しておくことのほうが、なんとなく良いように思えたからだ。

思い出は思い出のままで。
あの日の山の姿は、今でも私の中にそのまま残っている。