自然な田舎
1月に降る雨としては、あまりに空気が暖かいように感じる。
だいぶ降るんだろうなと思いつつ、天気予報を見てみる。
どうも今夜はまとまった雨が降るようだ。
そういう天気の変化を肌で感じられると、生き物としての感覚は鈍っていないのだな。そんなことを思ったりする。
あまりに快適な空間。
地面がほとんど見えないような場所で生活していると、自分がどの季節を生活しているのか、わからなくなることがあった。
今は片田舎に引っ込んでいるので、道路意外の部分は地面が見えていて、ビルのような建物はほとんど見当たらない。
なんというのか。
以前働いていた場所は研究室のような場所だったので、昼間でも照明が無いと真っ暗な場所だった。
そういう場所では湿度の変化も何もない。
計測器が誤作動しないようにとか、測定の条件を整えてやる必要があるからだ。
そういう場所で時間を過ごすと、何か奇妙な感覚になることがあった。
生物として存在しているのではなくて、自分も機械の一部にでもなったような、そういう妙な感覚。
今ではセロトニンやメラトニンと言った物質のことは重要視されるようになったが、当時はそこまで世間でも話題に上がっていなかったように記憶している。
田舎で自然を肌で感じていると、あまりに人工的な環境というのも、ちょっと怖い気がする。
夕方になって日が傾いてくる。
寒い日には霜が降りる。
当たり前の変化が感じられる場所というのも、人間にとても重要なことなのではないだろうか?
雨降り前のむっとするような空気を感じながら、そんなことを思う。