どうでも良いことを考えてしまう。

なんてことはない、日常で思ったことのつぶやき。

祖父の歌

祖父が亡くなったのは、今から40年ほど前になる。
まだ昭和の時代。

ビデオデッキが出始めた頃。
当時の価格で30万年ちかくしたので、現在の価格で言うと、だいたい60万円くらいの商品になる。

スマホのハイエンドモデルが十数万円で高いと言われているが、当時はビデオデッキ単体でこの価格。スマホの多機能性を考えると、ひょっとしたら安いのかもしれない。

話を戻す。
ビデオデッキはそうとうに高額商品であったので、商店を営んでいるとか、地主のような立場の家にあるくらいだ。

我が家には無かった。

あったのはカセットテープを使う、いわゆる「ラジカセ」と言われていたもの。

今でも覚えているのが、そのラジカセを使って祖父の歌を録音したこと。歌は「王将」だった。

当時は小学生であったから、ラジカセを玩具のような感覚で使っていた。祖父の歌を録音するというのも単なる思いつきで、遊びの延長だった。

残念ながらそのカセットテープの行方はわからない。
おそらくゴミとして捨ててしまっているのだと思う。

今ならばデジタルデータ化して、祖父の歌も残すことができたんじゃないかな。

― 歌とは不思議なもので、

祖父の声がどんな声であったか、どうもぼんやりとしか思い出せないのだが、その王将を歌う声だけははっきりと記憶に残っている。