自然の中で暮らしている
「また、地震か」
寝入ってすぐに地震が起こると、いきなり体が覚醒する。
アドレナリンでも出ているのだろうか。
我が家は古い木造住宅であるため、けっこう揺れが強い。
横揺れが長く続いたので、震源は離れていそう。
夜中にスマホやPCなどの明るい画面を見て、さらに脳が刺激を受けるのは避けたい。こういう時にラジオが頼りになる。
最初は少ない情報しか流れてこないが、時間と共に詳細が伝えられる。
昔は一回の揺れが終わると安心していたが、今では『前震』という言葉をテレビや新聞でも使うようになった。
なんとなく「一回の揺れでは済まないかもしれない」
そういう漠然とした不安が残る。
しばらくラジオを流しながらぼーっと過ごす。
余震や本震が来るのか、来ないのか。
はっきりとしたことはわからないとされているので、起きていても意味がない。
(起きていても体の負担が増えるだけだ)
なんとなく自分を納得させ、寝ることにする。
― 結局
この日は朝まで何も起こらなかった。
「たまたま起こらなかった」と考えるべきか、「災害級の地震なんて、そうそう起こるものではない」と考えるべきか。
楽観的過ぎるのもどうかと思うが、神経質過ぎるのも疲るばかり。
とりあえずは防災グッズの確認でもしておいて、来たるべき時への備えだけは怠らないようにしておきたい。